しまの島

ふらっと日常。

【R.P.ファイマン】【ご冗談でしょう、ファイマンさん】上巻・感想

上記の本を読了した感想です。記憶違いとか勘違いとかの可能性あり。

ネタバレ等気にしていませんので悪しからず。

 

 

 

 

あらすじ

ノーベル物理学賞を受賞した学者・リチャード . P . ファイマンの人生の回顧録。短編が複数収録されている。

 

 

感想・上巻

ファイマンは生粋の学者だったんだなと感じる本。物理は遊びで、それに取り組むのに理由なんていらないと考えてる。いい意味で頭のネジが外れている人。人をおちょくるのが好きで、そのおちょくり方が頭いいおちょくり方。子供の頃、真空放電の火花で火事を起こしかけた話には笑った。危ないよ、ファイマンさん。序盤にラジオ修理の話が出て来たので、思わず鉱石ラジオの仕組みをGoogleしてしまった。考えただけでラジオを直した話には、よく現象から原因の推定ができたなと感心してしまった。子供のころから才能の片鱗現してたとは、恐れ入る。初めて女の子をデートに誘った時の話では、ファイマンの世間の常識やら空気やらに囚われない性格が見えて良かった。三つ子の魂百までと言うし、小さい頃からあんなんだったんだろうな〜と。妹のために特別ラジオを放送したり、自信満々に出鱈目イタリア語の詩を発表したり、本当に自由で笑えるエピソードも多い。原爆開発のために研究所にいた時にも、手紙への検閲官に対して妻と一緒に色々な手でおちょくりまくったり、金庫を解体・観察して金庫破りとして名を馳せたり、戦時中のおかしな空気の中でも、元来の性格を失わずにいる様子が垣間見える。一方で、原爆の材料を作る工場の安全を担保するために、ウランの危険性の理由を工場の主要な技術員全員が全面的説明を受けない限りは「安全性の責任はいっさい負いかねる」と大見得(じゃないけど)切って、科学を適切にやるには、理由をきっちり理解しなければならない、というファイマンの信念を見ることもできる。また、原爆を日本に落としたことについても言及しており、読んでるこっちが胸が苦しくなる。特許の1ドルの話では、あの時代の国ってのは今じゃ考えられないことやってんだな、と感じた。それをまたまたおちょくってるファイマンさんには胸がすく思いがした。ぐっじょぶ・ファイマンさん!